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今さら聞けない、地震の基本情報【地震の起こる仕組み】

地震の起こる仕組みを知ろう!

日本に住んでいる限り、決して無関係ではいられない“地震”。そもそも地震はなぜ起こるのか。防災は、なぜ必要なのか。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」ということで、今回は防災を考える上で必要な“地震の起こる仕組み”を勉強しましょう。

思わぬ防災のヒントが、眠っているかも知れませんよ?

地震はなぜ起こる?~基本編~

地震が発生する最大の原因、それは地球内部の岩盤の”ズレ”にあります。

さらに、地震は大きく分けて2つの種類があり、それぞれの地震は異なるきっかけで発生しています。

これらの地震の種類ときっかけを解説するにあたり、前提となる地球の構造について簡単に触れたいと思います。

大きなゆで卵を思い浮かべてください。この卵が地球だとすると、黄身にあたる部分を「核」、白身に当たる部分を「マントル」、殻に当たる部分を文字通り「地殻」と言います。

この「地殻」と、地殻に近い上部マントルは硬い岩盤状になっており、この岩盤を「プレート」と言います。地球の表面は十数枚のプレートに覆われていると言われています。

このプレートは少しずつ動いており、プレート同士がぶつかったり、すれ違ったり、片方のプレートがもう一方のプレートの下に沈み込んだりしています。

プレートという大きな岩盤同士がぶつかり合う時に生じる力が、地震の原因です。

地震の2つの種類と、それぞれのきっかけは以下の通りです。

1.プレート境界地震

「プレート間地震」「海溝型地震」とも言われ、プレート同士の境界で生じる地震です。

片方のプレートが、もう一方のプレートの下に沈み込む時に引っ掛かりが生じ、上側のプレートが引きずり込まれます。

引きずりに堪えられなくなったプレートが跳ね上げられるように元に戻った時に、プレート境界地震は発生します。

2.プレート内地震

プレートが動く際に、プレート内に力が加わって生じる地震です。

このうち、陸側のプレートの地震を「陸域の浅い地震」「内陸型地震」と言い、海側のプレートの地震を「海洋プレート内地震」「スラブ内地震」と言います。

プレートに力が加わった結果、プレートが傷つき、ズレを生じて地震が発生します。このズレを「断層」と言い、一度生じた断層のうち今も動いて地震を起こす恐れのある断層を「活断層」と言います。

大きなゆで卵の、殻と殻に近い部分の白身が“プレート”

このプレートが動くことで生じる力が、地震の原因。

片方のプレートが、もう一方の下に沈み込む場所で発生するのが“プレート境界地震”

プレートが動くことで、プレート内部に力がたまって生じるのが“プレート内地震”

とくに、陸側のプレート内地震が“陸域の浅い地震”

地震の基礎知識としては、まずはここまでをおさえておけばバッチリです。

地震はなぜ起こる?~もう少し詳しく~

さて、ここからは、地震の起こる原因を、もう少し詳しく見ていきましょう。

”地球を覆うプレートが動く。”とは、どういうことでしょう。スケールが大きすぎて、イメージするのが少し難しいと思います。プールに浮かぶビート板のように、ドロドロのマグマの上にプカプカ浮いているのでしょうか?

いいえ、地球を構成しているのは、硬さに差はありますが、様々な岩石です。

このうちプレートを形成する、地殻と上部マントルの硬い部分をまとめて「リソスフェア」と呼びます。そして、マントルのうちプレートのすぐ下の部分を「アセノスフェア」と呼んでいます。

アセノスフェアは、岩石であるもののリソスフェアに比べて柔らかく、また部分的には溶けてしまっている可能性もあり、流動性を持っています。

このアセノスフェアが、いわば潤滑剤のような効果を生み、その上に乗っているプレートが動いているのです。

また、プレートはプカプカと自由に動いているわけでは無く、どちらかと言うと巨大なベルトコンベアのように、一定方向に動いています。

地中からプレートを構成する物質が沸き上がる「海嶺」と言われる場所でプレートは生まれ、ベルトコンベア状に一定方向に進み、海溝やトラフ(海底の盆地)で他のプレートの下に沈んでいきます。このベルトコンベアの終着点を「沈み込み帯」と呼び、地震が危惧されている「南海トラフ」や「日本海溝」も、この沈み込み帯に該当します。

日本近海にはこの「沈み込み帯」が多く、プレートに力が加わりやすいと言えます。また、プレートに力が加わった結果生じる「断層」も多いため、プレート内地震も多く発生します。

地震は「沈み込み帯」のみではなく「断層」でも生じるため、沿岸部のみではなく、内陸部でも地震の備えは重要と言えます。

「私たちは、地球を覆う十数枚のプレートの上に乗っていて、プレートは潤滑剤の上でベルトコンベア式に動いている。」

不思議な感覚ですが、このイメージが持てると、地震についてグッと理解しやすくなると思います。

まとめ

少しスケールの大きな話になりましたが、地震がどのように起こるかを学ぶことで、津波などの心配が比較的少ない内陸部でも地震発生の可能性があり、防災の必要性があることを確認することができました。

実際に、以下の記事では東日本大震災の教訓から、防災対策の重要性についてまとめています。合わせてご覧ください。

地震が起こる仕組みについて理解すると、地震のニュースなどの理解も深まることと思います。皆さんの防災について、少しでもヒントになれば幸いです。

【2021年2月更新】

地震の基本情報シリーズが更新されました!以下の記事も是非あわせてご覧ください。

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