近年、様々な災害の経験から防災への意識は高まっています。
しかしながら実際の災害の現場ではまだまだ解決できていない問題が発生しています。 今回はその中でも「災害弱者」の防災についてご紹介いたします。
「災害弱者」とは
「災害弱者」とは地震や洪水などの災害時に、困難を抱え、支援が必要となる方を指す言葉です。体力の衰えた高齢者や障害のある方、妊婦、乳幼児だけでなく、日本語を話せない外国人の方、旅行者などを含んでいます。
災害弱者の防災対策
行政上では、災害弱者を「要配慮者」と定義し、さらにその中でも特に自ら避難をすることが難しく、周囲の支援が必要な方を「避難行動要支援者」として、以下の対策を定めています。
① 避難行動要支援者名簿の作成
② 災害発生時に(避難支援等で必要な限度で名簿掲載者本人の同意の上で)名簿の消防機関や警察、民生委員への名簿情報の提供
各自治体では、名簿に記載された方一人一人に対して避難ルートや避難場所などについて個別計画を作成するよう進めていますが、まだまだ行き届いていないのが現状です。
また要配慮者にとって、一般の避難所での生活は様々な困難が想定されるため、災害発生前から「福祉避難所」の確保や整備が行われています。
実際の事例
いざ災害が発生したら、以下のような問題が生じることがあり、周囲の十分な配慮や理解が必要になります。
・体力不足、または寝たきりのため、屋外への避難が迅速に行うことができない。
・被災地の地理が不案内で、避難所の場所がわからない。
・常備薬や医療器具、介護スタッフなど専門サービスへのアクセスが確保できず、体調が悪化する。
・避難所での生活の中で、運動不足やストレスなどにより体調が著しく悪化する。
・避難所がバリアフリー化されておらず、車いすなどの補助具が使えない。
まとめ
様々な課題があり、今すぐ解決することは難しいですが、まずは支援が必要な方が身の回りにも数多くいるという前提で、防災対策を考えたり、地域の取り組みについて調べたりしてみましょう。