NHKで2023年3月4日・5日に放映された “必ず、来る「南海トラフ巨大地震」” 非常にショッキングな内容でした。半割れ後の臨時情報により、救助が来ないという設定で、今まで以上に自助・共助を強く意識させられました。「問題は誰かが解決してくれると思ってる」「地震と共に生きていくのは我々の宿命」「一人一人が地震に備えることが重要」など耳の痛い言葉も印象的でした。番組内容はこちら
NHKが「必ず来る」と断言するからには、何かしらの根拠があるはずです。改めて、「1. 南海トラフ地震について 」、また「2. 災害への備え」「3. 保険の知識について」ご案内します。
1. 南海トラフ地震について:30年以内に発生!?
そもそも南海トラフは、駿河湾から紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する区域をいいます。
この区域では、海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートの下に毎年数cmの速度で沈み込んでおり、そのひずみが限界に達した際の反発が地震のエネルギーとなります。また、その後も再度ひずみが蓄積されるため、概ね100~150年間隔で南海トラフ地震は繰り返し発生しています。前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震:1944年、昭和南海地震:1946年)が発生してから約80年が経過しており、現在では切迫性が高まっています。これが(何年後に来るかは別にして)「必ず来る」根拠となります。
南海トラフ地震に関する情報は、気象庁から定期的に発信されています。最新(2023年2月7日)の情報では、「南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、今後30年以内に発生する確率が70から80%」と案内されています。また、日本政府の中央防災会議が南海トラフ地震の被害想定を発表しており、関東から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来を想定しています。
2. 災害への備え:わかっていても難しい!?
水や食料の備蓄などの備え(防災)が必要なことはわかっていても、取り組みが難しいアンケート結果が出ています。
2022年度災害不安ランキングでは、「あなたは、防災について十分に取り組めていると思いますか」の質問に対し、「取り組めていない」と回答した方が78.3%となっています。
また、「防災の取り組みについて、あなたが難しいと感じる点は何ですか」の質問に対しては、「災害がいつ来るかわからないので、緊張感を保てない」が37.1%で1位となっています。「知識がない」「情報が多い」などの回答も多くあります。
防災に関しては、インターネットで様々な情報が入手可能です。例えば、tenki.jpでは「知る防災」のページを作成し、備蓄や避難の基礎知識を説明し、災害前の備えや実際に発生した際の行動などを案内していますので、内容を確認して必要な準備をすることをお勧めします。
3. 地震保険の知識:3割が未加入!?
家の倒壊や家財の破損など、地震による財政的な補償を行うのが「地震保険」です。地震保険では、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊等を補償します。また、損害の程度によって、全損から一部損までの4段階に区分され、支払われる保険金が決まります。【注】詳細は日本損害保険協会や各保険会社のホームページ等をご参照ください。
地震保険は単独では加入できず、火災保険に付帯(セット)して加入することになります。2022年度の付帯率の全国平均は69.0%となっています。なお、都道府県別に見ると、最も高い宮城県(88.7%)から長崎県(54.4%)まで付帯率には差があります。【引用】損害保険料率機構「地震保険統計速報」より
地震保険料控除や免震・耐震などによる保険料割引制度もありますので、未加入の場合は、検討をお勧めします。
なお、地震保険では、最大で火災保険金額の50%までの補償となり、公的支援制度などを加味しても、生活の再建には不安が残ります。そのため、いくつかの損害保険会社で、上乗せの補償を提供しています。
例えば、ジェイアイ傷害火災の「地震+プラス」では「地震危険等上乗せ特約」をセットすることにより、地震保険金と同額を上乗せして受け取ることができます。つまり、最大で地震保険の50%とあわせて100%補償されるのです。【注】詳細は、商品ホームページをご参照ください。
必ず来ると言われている「南海トラフ巨大地震」、必要な情報を知ったうえで、必要な備えを行っていただくことをお勧めします。【2023年3月3日作成】