世界有数の地震大国である日本。日本に暮らす以上、いつ、どこで地震が発生してもおかしくない状況と言えます。
本サイトではそのようなリスクに対して、「知る」「する」「備える」と言う観点から情報を発信しております。
そして本記事では、「マンションにお住まいの方」にスポットを当てて、マンションの特徴や防災対策についてご紹介します。
大地震が発生したらどうなる?
マンションって倒壊するの?
まず皆様が不安に思われることとして、「大地震が発生したらマンションが倒壊してしまうのではないか?」ということが挙げられるかと思います。
その答えを見つけるヒントとしまして、マンションの耐震能力を図る基準(耐震基準)がございます。
この耐震基準はかつては、「震度5程度の地震が起きても倒壊しないこと」とされておりました。(1981年5月以前の旧耐震基準)
しかし現在の「新耐震基準」では、「震度5強であれば建物の機能を保持できること」「それ以上の震度(6強~7)であっても、倒壊はせず人命を守ることができること」と、より厳格な基準へと変わっております。
この新耐震基準が策定された後に発生した阪神・淡路大震災(1995年1月)においては、倒壊などの被害を受けた建物の大半が旧耐震基準に基づいて建てられたものと言われており、新耐震基準を満たすことで倒壊リスクを低下出来るのではないか、と考えられます。
マンションの揺れって?
次に不安に思われることとしては、「マンションで大地震が発生したら、相当揺れるのではないか?」という不安かと思われます。
この不安については大筋当たっており、高層階のマンションは、高層階になればなるほど、揺れが大きくなる傾向があるとされております。
特に大地震発生時には、長周期地震動と呼ばれる周期(1往復するのにかかる時間)が長い揺れが発生し、マンションの高階層が長時間にわたって大きく揺れる、とされます。
また、地震が発生した場所から数百キロ離れていても大きく揺れ、遠くまで伝わりやすいという性質もあり、震源地が遠くだからと言って安心することは出来ません。
また、建物の倒壊リスクは低いとしても、揺れが長時間続くことによって家具・家電の落下、窓ガラスの破損など、様々なリスクが存在しております。
そのためマンションにお住まいの方はマンションの特徴を把握し、それに沿った対応・対策も検討していく必要があります。
大地震が発生した際の対応について
では、実際にマンションで大地震が発生した際はどのように対応すればいいのでしょうか。
まず何よりも優先すべきことは、「身の安全を確保すること」となります。
地震発生時の安全確保のポイントは以下の通りです。
丈夫な机の下に隠れる、転倒しやすい家具や窓などのガラス面から離れる
机の下に隠れるのが困難な場合は、クッションや枕などで頭を保護してください。
トイレや浴室にいた場合は、扉を開ける
地震によって扉が歪み開かなくなるケースがあるため、避難経路を確保することが肝要です。
廊下、玄関などへ避難することも対応策の1つとされております。
調理中で火元から離れている場合は身の安全確保を優先、揺れが収まってから消火に
現在多くの家庭においては、地震の揺れを感知し自動でガスの供給を停止するガス漏れ遮断器が設置されておりますので、まずは身の安全確保を優先するようにしましょう。
次に、地震の揺れが収まった後に注意すべきポイントは以下の通りです。
火の元を確認すること、ブレーカーを落とすこと
地震後に発生する火災の多くは、ガスコンロや暖房器具や照明器具によって引き起こされます。
地震直後に火災が発生していなくても、電力供給再開後に電機機器が再稼働することで通電火災を引き起こす危険性があります。
避難する前に火の元を確認すること、ブレーカーを落とすことを忘れずにしましょう。
厚底のスリッパや靴で行動する
地震発生直後はガラスや家財が散乱していることもありますので、足を怪我しないよう気を付けてください。
避難可能な出入り口を確保しておく
玄関のドアが開かなくなってしまっている場合は、ベランダ側から緊急はしごで避難することも検討します。
お住まいの部屋に緊急はしごがない場合は、隔て板を破って別の部屋の緊急はしごを使って避難することも検討します。
避難時は「エレベーター」を使用しない
地震発生後にマンション外に避難をする場合は、「エレベーターを使わずに階段で避難すること」が基本です。
その理由は、「エレベーターが停止して、閉じ込められてしまうリスクを避けるため」です。
マンション高層階にお住まいの方にとって1階まで階段を使用することは非常に大変なことですが、2次災害を防ぐためにも、マンション外へ避難する必要がある場合は階段を使用するようにしましょう。
大地震に備えた対策とは
今までは地震発生時の対応について紹介しましたが、大地震に備えて私たちが今から出来る対策は何でしょうか。
その1つに「非常用持ち出しバック」の用意が挙げられます。
チェックリストの例を以下に掲載しますので参考にしてください。
また災害による影響が長期化する場合には、マンション内で在宅避難するケースも考えられます。
その場合に重要となる対策が「備蓄食材や調理道具の用意」です。
「備蓄食材や調理道具の用意」については、本サイトに掲載している以下の記事もご覧ください。
地震はいつ発生するかはっきりと分からない以上、日頃より地震に対する備えを十分にしておくことが肝要です。
まとめ
本記事では「マンションにお住まいの方」にスポットを当てて、マンションの特徴や防災対策について紹介しました。
大地震の際にマンションで発生する固有リスクとしては、「高層マンションは大きく揺れる危険がある(長周期地震動)」「エレベーターが停止する危険がある」が挙げられます。
特に後者のリスクに関しては、在宅避難が長期化する場合は「備蓄品」の対策が重要になります。
日頃より防災意識を高めて、いざという時の備えを万全にして参りましょう。