地震などの災害はいつ、どこで起きるのか予測できません。
いざというときに困らないよう、手間をかけずに食べられる食材を準備しておくことは非常に大切なことといえます。
この記事では、今こそ備えておきたい備蓄食材や調理道具について解説します。
災害時にあると助かる備蓄食材4選
災害時は電気やガス、水道などのライフラインがストップする可能性があります。災害のための備蓄食材を購入する際は、非常時でも食べやすいものを選ぶことが大切です。 どのような備蓄食材があると便利なのか、具体的な特徴を4つ紹介します。
1.加熱・加工が必要ない食材
ライフラインが止まると、電気やガスを使って加熱したり、水を使って調理したりするのが難しくなります。
カセットコンロやペットボトルの水などを使えば加熱・加工することも可能ですが、ライフラインがいつ復旧するかわからない状態では、できるだけエネルギーや水の消費は避けたいところです。
なるべく加熱・加工を必要とせず、開けたらそのまま食べられる食材を備蓄しておいたほうがあらゆるシーンに対応できるでしょう。
たとえば缶詰やレトルト食品などは常温のままでも保存できるうえ、開けてすぐに食べられるので災害時の備蓄食材にぴったりです。
一方、フリーズドライ食品は缶詰やレトルト食品より保存期間が長いので備蓄に適していますが、食べるときには調理水が必要です。
フリーズドライ食品のみの場合は水の消費が大きくなってしまうので、缶詰やレトルト食品と合わせて備蓄するのがポイントです。
2.カロリーの高い食材
大規模災害時は食料品の供給が困難になり、通常の買い物ができるようになるまでにはかなりの日数がかかります。
新たに食材を買い足すのは難しいので、備蓄食材はなるべく腹持ちのよい高カロリー食材を用意しておくとよいでしょう。
たとえば米やパスタ、乾麺などの主食はお腹にたまりやすく、活動エネルギー源として重宝します。
お米に関しては温めずに食べられるパックご飯を常備しておくと、ライフラインがストップしている間でも手軽に食べられます。
炊いたお米を急速乾燥させた「アルファ化米」は調理水を使えば加熱しなくても食べられますが、固くて食べにくいので、ある程度ライフラインが復旧した後に活用するのがおすすめです。
3.お菓子などの甘いもの
お菓子は嗜好品なので直接栄養補給に役立つわけではありませんが、甘いものにはストレスを緩和する力があります。
特に小さな子どもがいるご家庭では、おやつの時間が子どもの緊張や不安を解きほぐしてくれるでしょう。一服の清涼剤としてお菓子を備蓄しておくのも1つの方法です。
お菓子も貴重な食料であるため、少量ずつ食べられるよう、個包装のチョコレートやビスケット菓子、キャンディなどを用意するのがベストです。
4.栄養補助食品
災害時は安定して食料を入手できませんので、当面は栄養まで考える必要はありません。
ただ、避難生活が長期にわたる場合も想定し、手軽にビタミンなどを摂取できる栄養補助食品などもいくつか用意しておくとよいでしょう。
ブロックタイプの栄養補助食品ならいつでも手軽に食べられますし、ドライフルーツ入りの商品ならおやつ感覚で食べられるところも魅力です。
食品だけでなく、野菜ジュースやフルーツジュースなどビタミンを摂取できるドリンクを用意される方も多いようです。
おすすめの具体的な食材や料理5選
日本には昔から、食料が不足する時期に備えて保存食を常備しておくという習慣があります。
災害時は冷蔵庫が使えなくなるので、常温でも長持ちする保存食作りにチャレンジしてみましょう。
1. 水で戻せる干しタケノコ
収穫したばかりのタケノコを茹で、干して乾燥させた保存食です。
水で戻した後は、焼く、炒める、煮込むなどいろいろな方法で調理できるので、災害時の食事の幅が広がります。
干しタケノコは九州地方でよく食べられる保存食ですが、実際、2016年に起こった熊本地震では常備していた干しタケノコが重宝されたそうです。
2. 塩分・野菜不足を補える漬け物
さまざまな食材に塩や酢、酒粕などを混ぜて熟成させる保存食です。
日本の伝統食のひとつであり、地域ごとに使用する食材や調味料に違いがあります。
ご飯のお供にぴったりなのはもちろん、災害時に不足しがちなビタミンや塩分も補うことができます。
3. 漬け物との使い分けで幅が広がるピクルス
パプリカやカリフラワー、オリーブなどを酢漬けにした保存食です。
漬け物と同じく災害時の野菜補給に適していますので、ご飯のときは漬け物、カレーのときはピクルスなど、一緒に食べる料理に合わせて使い分けるのがおすすめです。
4. 長期保存可能な甘味・手作りジャム
いちごやブルーベリーなどのフルーツを煮詰めて作るジャムは、密封容器に入れておけば長期間保存することが可能です。
災害時は甘いものが欲しくなりますので、パンやクラッカーにのせて食べられる甘いジャムにはリラックス効果も期待できます。
5. 飲み水・調理水として欠かせないペットボトルの水
水は飲料としてだけでなく、調理水としても使用します。
備蓄する目安としては、飲料水は大人1人あたり1日3リットル、調理水は1日1リットルと必要といわれています。最低でも3日分1人あたり12リットルは用意しておきましょう。
災害時にあると便利な調理道具7選
災害時は、いつものガスコンロやIHクッキングヒーターなどが使えなくなる可能性があります。
開けてすぐ食べられる備蓄食材があれば調理は不要ですが、食事のバリエーションを持たせるためにも、災害時に使える調理道具は一通り準備しておきましょう。
ここでは災害時にあると便利な調理道具を7つ紹介します。
1. 停電時のマストアイテム・カセットコンロ
カセットボンベをセットするだけで使用できるカセットコンロは、停電時の貴重な熱源となるアイテムです。
カセットコンロの大きさはさまざまですが、どこでも手軽に利用できる携帯用を購入したほうが災害時の使い勝手はよいでしょう。
カセットコンロを購入する際はカセットボンベも合わせて入手し、備蓄しておくことが大切で
2. お皿代わりにもなるラップ
お皿の上に敷いて使うと洗い物が少なくなり、節水できます。
ほかにも、ご飯をラップで巻いておにぎりにするなど、使い方は多種多様です。
3. アルミホイルを利用して調理器具の洗い物を軽減
アルミホイルは、フライパンなどに敷いて使用すると内部を汚さずに調理できます。
ラップの代用品として使うことも可能です。
4. 器カバーや調理作業に使えるポリ袋
ポリ袋はお椀など底の深い器を使用するときのカバーに活用できます。
ほかにも、混ぜる・和えるといった調理作業をするときに役立ちます。
5. 食材のカットに便利なキッチンばさみ
まな板や包丁を使用せずに食材をカットできます。使用後ははさみだけ洗えばよいので節水にもつながります。
6. 食中毒のリスクを抑える調理用手袋
災害時は水が満足に使えないうえ、医療体制も不十分になるので、衛生面には十分気を遣う必要があります。
薄手の調理用手袋を用意しておけば、食中毒などのリスクが低減され、災害時でも安心して食事できます。
7. 食事をするときに必要なスプーン・フォーク
スプーンやフォークは食事をするときだけでなく、食材をつぶすときにも活用できます。スプーンは缶切りとして使用することも可能です。
もしものときのために、あらゆる準備をしておこう
大規模災害では、災害の度合いをできるだけ抑える” 減災 “に取り組むことが大切です。
ライフラインが断絶するような大規模災害の発生に備え、日頃から日持ちする食材や飲料水を備蓄しておくことはとても大切なことです。
避難生活が長期化することも考慮し、備蓄食材や飲料水はなるべく多めに、かつバリエーション豊かに揃えておくことが有効な防災対策となるでしょう。
以下の記事では、より詳しい家庭の中の食品の保管場所や、食品保管に役立つ乾燥剤の紹介など、食品備蓄のポイントが記載されています。是非合わせて参照して防災に取り組んでください。